はじめに
同じ器具を使っても、持ち方ひとつで操作の正確性は大きく変わります。
そして歯科の器具操作では、この持ち方——執筆状変法——がすべての器具に共通する持ち方の基本となります。プローブ、エキスプローラー、キュレット、どの器具を持つときも、土台となる持ち方は同じです。
だからこそ、この一つの持ち方を身につけることが、確実な器具操作への第一歩になります。
執筆状変法(Modified Pen Grasp)正しい持ち方
執筆状変法は、歯石除去やルートプレーニングの際にキュレットのストロークを確実にするための、基本となる器具の保持法です。
ポイントは、器具を3点で保持することにあります。示指(人差し指)と中指の内腹側を、母指(親指)の内腹側と向かい合わせにして器具を支えます。この3点保持によって器具が安定し、確実なストロークが可能になります。
一方、通常の鉛筆持ち(ペングラスプ)では器具の安定性が低下します。安定性が低いとフィンガーレストを確実に置くことができず、結果として正確なストロークも行えません。
執筆状変法が歯科器具操作に適している理由
執筆状変法の利点は、フィンガーレストを支点とした安定した器具操作にあります。
薬指で固定点となるフィンガーレストを置くことで、このレストを中心に器具を回転させ、どの方向にも動かすことができます。
ただし、安定はフィンガーレストだけで決まるわけではありません。
スケーリングの際に薬指と中指が離れてしまうと、フィンガーレストの補強を受けられず、安定した操作ができなくなります。3点保持とフィンガーレストが連動して、はじめて確実な操作が可能になります。
また、ペングラスプでは手掌、手背を一体化させて固い歯石を指の力だけでなく手首の屈伸、肘の屈伸を使いながらの除去操作がうまくできません。
前腕部の屈伸をうまく使うためには執筆状変法が適していると言えます。
